六角穴付ボタンボルトの豆知識
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六角穴付きボタンボルトは一般的な名称としてボタンキャップと呼ばれています。名前のとおり、頭部の形状がボタンのような丸みを帯びています。
工場にある機械類だけでなく、自動車やバイク、また家電等に至るまで幅広く用いられる六角穴付ボタンボルトについて、ねじの通販を行う「ねじコンシェル.com」が解説します。
目次
六角穴付ボタンボルトを用いるメリット
一般的な六角穴付ボルトよりも頭部が低いので、締結後にネジの頭部が露出していても引っかかることがなく、安全性を確保することができます。その為、工作機械や車両などの一般的な締結に使用されるだけでなく、インテリア用品などデザイン的な要素が求められる箇所にも多く用いられています。
似た頭部形状のなべ小ねじやバインド小ねじが舐めやすい十字穴であるのに対し、六角穴なのでより強い力で締め付けることが出来るのは大きなメリットと言えます。
また、六角穴付ボタンボルトは六角穴付ボルトと比較して頭部の高さが約半分と低いですが、逆に頭部の幅は少し大きくなっています。その為、座面の接地面積が大きいので、六角穴付ボルトに比べて緩みにくいというメリットもあります。更に頭部がコンパクトなので、六角穴付ボタンボルトの重さは同じ呼び径の六角穴付ボルトに比べて20%以上軽量です。
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JIS規格品とSSS規格品の違い
六角穴付ボタンボルト(ボタンキャップ)には2つの規格があります。“JIS”と呼ばれる日本工業規格と“3S”または“SSS”と呼ばれる日本ソケットスクリュー工業共同組合規格です。
六角穴付ボタンボルト(ボタンキャップ)における二つの規格の大きな違いは、頭部の高さといえます。
ほとんどのSSS規格の六角穴付ボタンボルトは頭部の高さの方がJIS規格よりも高くなっています。ただし、M16の高さだけはJIS規格の方が高いので注意が必要です。
頭部の低いJIS規格に比べて、SSS規格の方が六角穴が深いので安定した締結が可能で、その分緩みにくいともいえます。
したがって使用目的によって頭部が低い方が良いとか、レンチの溝が深い方が良いかで六角穴付ボタンボルトの選択が求められるかもしれません。
六角穴付ボタンボルトのJIS規格とSSS規格における引張荷重の最小値
| ねじの呼び |
強度区分 |
M3 |
M4 |
M5 |
M6 |
M8 |
M10 |
M12 |
M14 |
M16 |
実質強度 |
| 六角穴付ボタンボルト N (JIS B 1174) |
12.9 |
4910 |
8560 |
13800 |
19600 |
35700 |
56600 |
82400 |
/ |
154000 |
/ |
|
六角穴付ボタンボルト N (SSS-003) |
34潤オ44HRC |
4930 |
8610 |
13900 |
19700 |
35900 |
56900 |
82700 |
/ |
154000 |
10.9相当 |
ボタンキャップの規格比較
3S(SSS)規格表
呼び
d |
D(頭部径) |
H(頭部高さ) |
B(2面幅の呼び) |
m(六角穴の深さ) |
|
基準寸法 |
許容差 |
基準寸法 |
許容差 |
基準寸法 |
許容差 |
基準寸法 |
許容差 |
| M3 |
5.5 |
0
-0.3 |
2 |
±0.15 |
2 |
+0.08
+0.02 |
1.4 |
±0.15 |
| M4 |
7.5 |
|
2.6 |
|
2.5 |
|
1.8 |
|
| M5 |
9.5 |
0
-0.4 |
3.4 |
|
3 |
|
2.4 |
|
| M6 |
10.5 |
|
4 |
±0.2 |
4 |
+0.105
+0.03 |
2.8 |
±0.2 |
| M8 |
14 |
0
-0.5 |
5 |
|
5 |
|
3.5 |
|
| M10 |
18 |
|
6 |
|
6 |
|
4.2 |
|
| M12 |
21 |
0
-0.6 |
7 |
|
8 |
+0.04
+0.13 |
4.9 |
|
| M16 |
28 |
|
8.5 |
|
10 |
|
6 |
|
JIS規格表
呼び
d |
D(頭部径) |
H(頭部高さ) |
B(2面幅の呼び) |
m(六角穴の深さ) |
|
基準寸法 |
許容差 |
基準寸法 |
許容差 |
基準寸法 |
許容差 |
基準寸法 |
許容差 |
| M3 |
5.7 |
0
-0.3 |
1.65 |
0
-0.25 |
2 |
+0.045
+0.02 |
1.04 |
±0.15 |
| M4 |
7.6 |
0
-0.36 |
2.2 |
|
2.5 |
+0.060
+0.020 |
1.3 |
|
| M5 |
9.5 |
|
2.75 |
|
3 |
+0.080
+0.020 |
1.56 |
|
| M6 |
10.5 |
0
-0.43 |
3.3 |
0
-0.3 |
4 |
+0.095
+0.025 |
2.08 |
±0.2 |
| M8 |
14 |
|
4.4 |
|
5 |
|
2.6 |
|
| M10 |
17.5 |
|
5.5 |
|
6 |
|
3.12 |
|
| M12 |
21 |
0
-0.52 |
6.6 |
0
-0.36 |
8 |
+0.115
+0.025 |
4.16 |
|
| M16 |
28 |
|
8.8 |
|
10 |
|
5.2 |
六角穴付ボタンボルトの取付には六角穴付ボルト同様に六角レンチが用いられます。
六角穴付ボタンボルトの六角穴は同じ呼び径の六角穴付ボルトよりも小さくなっています。ですから、同じ呼び径でも締結に用いる六角レンチは異なるということになります。締結する際には六角レンチのサイズを確認してから使用してください。
ボタンキャップの形状を少し変えて付加機能をもたせたもの、更にいたずら防止やセキュリティー対策・安全対策を主な目的として、一般的な六角穴の代わりに特殊な形状のリセス(くぼみ)が施されたものなど、ちょっと変わったボタンキャップをご紹介します。
首下部分をねじ部よりも細く加工したボルトです。胴部とねじ部に段差があるため、ねじが脱落しにくくなっています。カバーパネルなど、取付け・取外しが頻繁に行われる場所に適したねじです。
頭部が低く丸みをおびているので、締結後の頭部への引っかかり等も有りません。配電盤や機械類のカバーのみならず、インテリアのパネルなどデザイン的な要素が求められる箇所にも採用されています。
カバーボタンキャップとも呼ばれます。
一見普通のボタンキャップのように見えますが、六角穴の中にピンが立っています。その為、一般的なレンチやビットはリセスに嵌まらず、回すことができません。
リセスが六角星形をしているボタンボルトです。このリセス形状の呼称としてはトルクス(TORX)が有名ですが、これはCAMCAR
DIVISION OF TEXTRON Fastening System
Inc.の登録商標となっています。その為、規格書ではヘクサロビュラ(hexalobular)、またメーカーにより6-ロブの他にTRX、ヘックスローブ、ヘクスローブT型と言った別の呼称を用いています。穴の中央にピンのついたタイプもあります。
リセスが梅の花のような5つの溝穴になっており、更に中央にピンがついているので、専用工具がなければ回せません。花弁ボタンキャップ、梅花ボタンキャップとも呼ばれます。
その他、三角穴のえぼしロックや3ロブ穴の中にピンが立つピン3ロブ穴のトライクルなど工夫の凝らされたボタンボルトが数多くあります。